1から学ぶサマーインターンとその導入法 【後編】導入の流れ&期待される効果

ここ数年で、サマーインターンを導入する企業が多く見受けられますが、「現在どのくらいの企業が導入しているか」、「実施期間はどのくらいが一般的なのか」、「時期によって留意すべき違いはあるのか」など気になることも多いと思います。

インターンシップには大きく分けて主に、夏と冬に開催されるものがあります。そこで今回はサマーインターンについてお伝えします。インターンシップ開催や新卒採用活動に役立ててもらえれば幸いです。

「新卒採用につながる効果的なサマーインターンシップとは【後編】」では、サマーインターン導入の流れ新卒採用への影響に関するポイントを紹介します。

「前編」では、サマーインターンの期間や内容を分類し、その特徴やメリットなど基本情報を紹介しています。)

3. サマーインターン導入の流れ

いざサマーインターンを導入しようと思っても実施の際における流れや準備すべきことがわからなければ、サマーインターンを行うことができません。ここからは、実際にサマーインターンを導入しようとしているが、いまいちやり方が分からない方や検討している方を後押しできるよう、導入の流れ準備すべき内容を紹介します。

図5
サマーインターン導入のためのスケジュール
インターンシップ開催に向けた企業の取り組みスケジュール

引用元:株式会社マイナビ「インターンシップを取り巻く環境と実施に際しての留意点」,文部科学省『「首都圏におけるインターンシップ等の拡充・高度化」平成27年度版 報告書』,pp.473-495

サマーインターン導入に向けた準備~実施に至るまでの流れの一例は図5のようになります。「①受け入れの検討」では、「目的」、「内容」、「時期」、「期間」、「受入人数」、「受入担当」など、詳細を詰めて具体的な企画を立ち上げます。「②受け入れ体制の準備」では、社内外での備品・場所の確保、必要人員の手配など実施に向けた打ち合わせを進めつつ、「社内コンセンサス」、「必要備品」、「保険」、「契約書」、「誓約書」などを準備します。それ以降、計画に基づいたPDCAを回していくことになります。

ここからは主に①、②で決定すべき内容について論点をしぼって紹介していきます。

準備期間での要決定事項

    • (i)スケジュールの決定
    • (ii)プログラム設計
    • (ii)社内環境・書類関係の整備
    • (iv)選考フローの決定
    • (v)募集フローの決定
    • (vi)募集&選考

(i)スケジュール決定

手順のはじめとしてまずスケジュールを決めます。決め方に関しては、学事日程、業務状況を含めて実施月・受け入れ期間を決定します。受け入れを逆算する形で応募者の選考時期や告知のタイミングなども検討し、決定します。

図6にある通り、昨夏の実態として学生が1週間以上のインターンシップに参加する割合が1年間で最も高いのはサマーインターンとなっています。1日のみのインターンシップが冬から春にかけて(1~3月)に最も多くなったことと比べると対照的です。これは学生側にも企業側にも双方に比較的長期のインターンシップの開催をおこなう余裕があるからであるといえるでしょう。

図6
大学生学年別インターン参加時期

出典:就職白書2017 -インターンシップ編-|株式会社リクルートキャリア 就職みらい研究所

募集時期の参考として、学生が夏期インターンシップを認知する時期は図7のようになっています。

図7
大学生がインターンシップを認知する時期

出典:2018年3月卒業予定者の就職活動に関する学生調査(インターンシップ)|アイデム人と仕事研究所

(ii)プログラム設計

学生にとっての学びの機会を提供するためのプログラム設計を考える段階です。インターンシップのよくある流れは以下のようになります

  • インターンシップの目的を伝える
  • 模擬体験をしてもらう
  • プログラムを体験したうえで、成果物のアウトプット
  • アウトプットに対してのフィードバック

以上のような流れに見合うようなプログラム設計を行う必要があります。

(iii)社内環境・書類関係の整備

計画したプログラムや受け入れ時の選考(エントリーシート、webテストなど)、懇談会を催す場合に必要な人員の手配や、参加学生に署名いただく目的に即した書類(機密情報に関する秘密保持、個人情報保護など)の作成が必要です。

(iv)選考フローの決定

企業によって、申し込み順・抽選といった選考のないものから、ES・適性検査・面接といった従来の採用活動と同じ手段を採用することもあります。選考手法は、想定される学生の集客数や母集団を元に考えれば良いでしょう。

ただし、インターンシップでは従来の採用活動の選考とは異なるので配慮が必要となります。例えば、志望動機が「入社の動機」ではなく「インターンシップ参加の動機」となることや、『インターンシップの不合格は採用上の不合格ではないこと』を学生に周知することなどです。

過去3年のインターンシップの選考方法に関する、調査結果は図8のようになっています。

図8
企業規模別インターンシップ選考方法

出典:就職白書2017 -インターンシップ編-|株式会社リクルートキャリア 就職みらい研究所

(v)募集経路の決定

募集経路としては主に以下の5つが挙げられるでしょう。

    1. 自社Webサイトへの求人掲載
    2. 就職情報事業会社が運営する就職情報サイトでの公募
    3. 学内告知(大学の就職課などへ求人票を出す)
    4. インターンシップ合同説明会への参加(学校や就職情報事業会社が開催)
    5. 社員等が関係を持つ研究室からの直接受け入れなどの人づてに紹介してもらう経路

自社の知名度が高い場合には自社Webサイトへの掲載、全国の学生に対して募集を行う場合には就職情報サイト、地域に密着した学生や特定のターゲット校の生徒など大学ごとに求人することが効率的な場合には学内告知が効果的であるといえるでしょう。ターゲットである学生(次年度の就活生に絞らず全学年でもよい)の性質に応じて、募集経路も検討してください。

サマーインターンの時点では、なかなか人が集まらない企業の場合には、③や④、⑤のような募集経路も積極的に取り入れていくことが地道ですが、確実な集客につながるでしょう。

2016年のサマーインターンに向けた、企業の募集経路に関するデータは図9の通りです。2018年卒の学生が、夏期インターンシップに参加する情報源としては、「就職ナビサイト」が64.9%ともっとも多く、次に「大学のキャリアセンター」が22.2%、「企業のホームページ」が14.3%、WEB広告が8.9%というように続いています。募集経路としては、ナビサイトや企業ホームページなど自社のネームバリューに左右されがちなものが多いですが、「大学のキャリアセンター」や「友人・知人・先輩の紹介」といった地道な活動も合計すれば少なからず有効であることがわかります。

図9
大学生がインターンシップを認知した経路

出典:2018年3月卒業予定者の就職活動に関する学生調査(インターンシップ)|アイデム人と仕事研究所

(vi)募集&選考

計画した告知手段・選考法に準じた活動となります。告知後は方向修正が難しいため事前の計画が重要です。

4. サマーインターンは新卒採用に有効

ここまでサマーインターンについて紹介してきましたが、全ての企業についてとは言い切れませんが、実際にその導入によって新卒採用に好影響を及ぼすことが株式会社アイデムの調査でも報告されています(図10)。「より質の高い学生の応募につながった」、「自社へ応募する学生が増加した」といった声が4割以上の企業からあがっています。

図10
インターンシップが採用にもたらす効果

出典:2018年3月卒業予定者の就職活動に関する学生調査(インターンシップ)|アイデム人と仕事研究所

2017年卒のインターンシップ参加者に関しておこなった調査によれば、インターンシップ参加学生のうち、「新卒採用選考に応募した学生がいる企業は約6割」、「内定を出した企業は8割越え」となっています(図11)。

図11

出典:2017 年卒就職・採用活動に関する調査 - 総括|アイデム人と仕事研究所

経団連の『採用選考に関する指針』に対応した、採用活動後ろ倒しの影響によってサマーインターンを実施できなかった企業(経団連に加盟する日本大手企業やそれに左右される中堅・中小)と実施することのできた企業(経団連に加盟していない外資企業やメガベンチャーなど)を比較すると、実施できなかった企業の影響もあって実施できた企業は順調に良い人材と出会えているようです。このことからも、インターンシップを通し企業と関わるきっかけや出会いを生み出せたことで、メリットであるPRや優秀な人材の確保、志望意欲の向上につながったといえます。

以上をまとめれば大きく分けて、①質の高い学生の応募②応募学生数の増加、というサマーインターンシップの効果が期待されることがわかります。


短期インターンシップがどれほど採用につながっているかについては、こちらの記事もご確認ください。

短期インターンシップ参加者からどれくらいの割合で内定者につながる?|HeRman

5. 終わりに

今回の記事では、サマーインターンに着目して、その特徴、メリット、導入プロセス、効果等、基本情報をまとめました。以上のように多くの企業が、他の企業に先んじてサマーインターンを導入し、採用活動へとつなげようとしています。すべての企業とは言えませんが、「質の高い学生の応募」や「応募学生の増加」という効果が実際に報告もされています。

これまでサマーインターンシップに関して前向きでなかった方や導入に踏み出せなかった方、この記事を通して学んだ導入ノウハウを活かして、サマーインターンの実施を検討してみてはいかがですか。開催するからには採用につながる質の高いインターンシップの運営を目指してみましょう。


「1から学ぶサマーインターンとその導入法 【前編】種類&メリット」では、サマーインターンの期間や内容を分類し、その特徴やメリットを紹介しております。

こちらから「前編」の記事をご覧ください。

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