1から学ぶサマーインターンとその導入法 【前編】種類&メリット

ここ数年で、サマーインターンを導入する企業が多く見受けられますが、「現在どのくらいの企業が導入しているか」、「実施期間はどのくらいが一般的なのか」、「時期によって留意すべき違いはあるのか」など気になることも多いと思います。

インターンシップには大きく分けて主に、夏と冬に開催されるものがあります。そこで今回はその中で、サマーインターンについてお伝えします。インターンシップ開催や新卒採用活動に役立ててもらえれば幸いです。

「新卒採用につながる効果的なサマーインターンシップとは【前編】」では、サマーインターンの期間や内容を分類し、その特徴やメリットを紹介します。

「後編」では、サマーインターン導入の流れ、新卒採用への影響、新卒採用とサマーインターンをつなげるポイントを紹介しています。)

1. サマーインターンとは

サマーインターンとは主に8月~9月ごろに行われるインターンシップです。8月~9月は学生にとって夏休みにあたる期間でもあります。このことからも、長期休みという学業以外にも目を向ける余裕が生まれる夏の期間を利用して、自社の存在を知ってもらう接点や多くの学生にアピールできるチャンスを作り出すことのできるインターンシップがサマーインターンであるといえるでしょう。早期での採用ターゲット母集団形成のきっかけとなります。

今年の動向としては、説明会の代わりとなる1dayインターンシップ開催の増加が予想されます。経団連によるインターンシップの開催最短日数条件の緩和により、実質1日開催のインターンシップの開催も認められるようになりました。もちろん経団連による条件緩和以前から多くの企業が実施をしていたことは事実ですが、今後はその増加が見込まれます。

経団連の採用ルールを遵守する企業からしてみれば、2017年卒生以後は学生への広報活動が開始する3月から面接解禁となる6月までの期間が、形式上、企業と学生がマッチングをおこなう期間となっています。以前よりも就職活動期間が縮小してきたことで、「就職活動の期間が短くなり、学生は企業研究が足りずに、企業と学生とのミスマッチに陥っている人が増えた思う」という声も聞こえます。サマーインターンの開催はそうしたミスマッチを減らすきっかけにもつながります。

サマーインターンはミスマッチを減らす新卒採用に有効活用できそうなインターンシップであるといえます。企業によって期間、形態、内容は一様でなく様々です。そこで以下ではサマーインターンについて、その特徴やメリット等をより具体的に説明していきます。

参考:一般社団法人 日本経済団体連合会 「採用選考に関する指針」の手引き

2. サマーインターンの特徴・メリット

サマーインターンの大枠は掴めたと思いますが、そのサマーインターンを導入することで生まれるメリットや、実施期間、実務内容はどういったものか疑問を抱くと思います。ここではサマーインターンの特徴やメリットを紹介していきます。

2a. 特徴

・期間

近年、企業が実施したサマーインターンと学生が参加したサマーインターンの割合は以下のようになっています(図1)。

図1
企業・学生それぞれのインターンシップ参加時期

出典:リクルートキャリア編『就職白書2017』

サマーインターンの期間は下記のように分類できるでしょう。

  • ①1日
  • ②3日程度
  • ③1週間
  • ④1ヶ月以上のもの

企業によって様々ですが、1日程度と短期間のものから1週間のものが多いです。インターンシップの形態にも左右されますが、半日や一日のものであると企業の理解が深まる前に終了となり、パンフレットやホームページ上に記載されている情報の認知や企業の雰囲気を感じとる程度にとどまりがちです。

対して1ヵ月以上のような長期の場合には、企業理解や参加者の能力の見極めは深まる一方で、日程の確保が難しいという学生の意見が上がるようです。短期長期のインターンシップともに需要がないわけでないのですが、3日間や1週間程度のものが学生側にとって日程調整しやすい、しかも企業理解などプログラムから得るものが1dayのものより多い等の理由から、希望が多いと言えるでしょう(図2)。

図2
学生が希望するインターンシップの期間長さ
引用元:サマーインターンに参加したい学生は43%。就活生のサマーインターンに対する意識調査を大公開!|STUDENTS LAB

大手ナビサイトの中には1ヶ月以上のインターンシップも存在し、ベンチャー企業の営業体験やエンジニア向けの技術系インターンシップは長期のものが多く開催されています。

・内容

実施機関によって異なりますが、一般的に長くなるにつれて実務の体験が可能となり、短いと説明会程度で終わってしまいます。内容は以下の4パターンが考えられます。

①会社説明会型

セミナー・見学タイプと呼ばれ、期間は短く1日から、もしくは2日程度で終わる無報酬型の会社説明会です。会社の見学や社員からの仕事や業界などの説明、社長や役員による講演会が開催されることもあります。

②ワークショップ型

プロジェクト・ワークショップタイプと呼ばれ、2、3日程度から1週間ほどで行われ、会社概要の説明後、参加者である学生同士でいくつかのグループを作り、与えられた課題に取り組み、ディスカッションやプレゼンをしてもらう、無報酬型の短期インターンシップです。

③職場体験型

一般的に5日~2週間の期間で行われます。仕事をしている社員の業務の一部を経験したり、もしくはインターン生に課題を与え課題解決に取り組むようなインターンもあります。どちらも期間中、実際の社員のように基本フルタイムで働くことが特徴です。時給もしくは日給で報酬が支払われることがほとんどです。

④長期就業型

1ヶ月以上に渡り報酬が支払われます。実際の職場に学生に入ってもらい、一つのプロジェクトに関わって完成させるなど、社員と一緒に実務に携わります。新しい人材確保に意欲を燃やすベンチャー企業がこの方法を使うことが多く見られます。

参考:静岡県文化・観光部総合教育局大学課(2017)「始めようインターンシップ 企業向けインターンシップ導入の手引き」

2b. メリット

・企業のPRになる

夏の段階で行う理由には就活期よりも前もって自社を知ってもらえるからです。学生にとっては長期な休みなわけですから、より多くの学生に直接企業に出向いてもらい話を聞いてもらうことで、会社の雰囲気や仕事内容を認知してもらい、その場で質疑応答などを設けることでミスマッチを防ぐことができます。

アイデムの調査によれば、夏期インターンシップを通して学生の93.7%が「企業に対する印象」、85.1%が「業界に対する印象」が良くなったことがあるとしています(図3)。

図3
学生が希望するインターンシップの期間長さ学生が希望するインターンシップの期間長さ

出典:2018年3月卒業予定者の就職活動に関する学生調査(インターンシップ)|アイデム人と仕事研究所 

・早い段階で優秀な人材を確保

現在の就職活動は3月の春に解禁であり、冬の1月や2月に説明会やインターンシップを実施している企業が多く、夏に早くから始めなくても冬に参加してもらえる形態が整っているのにもかかわらず、夏に参加してくる学生は周りに比べて意識が高く、学べる環境を求めて行動していることもあり、早いうちに優秀な学生を見定め、接点を持つことができます。

・隠れたポテンシャルを見抜ける

夏はまだ仕事に関してイメージがわかない学生が手探りで動き出す時期なので、初めて仕事に取り組ませることで、学生が持つ素の能力を確かめることができます。まだ就職活動が本格化しておらず、自己分析をし切れていないような、早期からポテンシャルの高い学生を集めることができる時期だといえます。学生としても自分の能力や興味関心に気づく機会となるでしょう。

また自分のポテンシャルを示してくれた、インターンシップを開催した企業に対する学生の親近感は増すことでしょう。

・学生を成長させ、自社へのマッチングを高める

企業と学生のつながりや関わるきっかけは、アルバイトや友人からの紹介程度で、あまり機会がなかったと思います。インターシップに参加してもらいフィードバックをしてあげることで、新たな価値観や見識を得て、親しみを抱き、志望度が高まる可能性が大いにあります。

また、「インターン参加先の企業・業界と合わなかった」と感じた学生がいた場合であっても、新卒の本選考においてのミスマッチングを防ぐという点では、インターンシップのメリットであるといえるでしょう。

夏期インターンシップに参加した、2018年卒の学生に尋ねたアンケートでは、「インターンシップに参加した企業のうち、エントリー・応募しようとおもっている企業がある」と答えた学生は87.1%、一方「インターンシップに参加した企業のうち、エントリー・応募しようと思わない企業がある」とした学生は55.4%いるとされています(図4)。わざわざインターンシップに参加してもらった学生に「エントリー・応募したくない」と思われてしまうのは、少し残念ではありますが、「ミスマッチを防ぐ」、「不要な選考がなくなる」と考えれば学生・企業の双方にとってメリットがあるといえるでしょう。

図4
インターンシップ参加と本選考応募との関係性
出典:2018年3月卒業予定者の就職活動に関する学生調査(インターンシップ)|アイデム人と仕事研究所


「新卒採用につながる効果的なサマーインターンシップとは【後半】」では、サマーインターン導入の流れ新卒採用への影響に関するポイントを紹介しております。

こちらから「後編」の記事をご覧ください。

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