インターン100名以上を戦力化するキュービック社とのセミナーレポート【前半】

インターンが140名以上在籍し、「日本一、長期インターンが活躍する会社」となった株式会社キュービック様から、代表取締役社長世一英仁氏と人事マネージャー森實泰司氏をお招きして、トークセッション形式のセミナーを行いました。

株式会社アイタンクジャパン取締役の藤原義人(※)をモデレーターとして、「どのように長期インターンシップを取り入れて成果を上げる仕組みを作っていくのか」についておふたりと意見交わすトークセッションとなりました。
(※)2017年4月より代表取締役社長に就任


今回は、当日の様子を前半と後半に分けてお伝えします。これだけの人数のインターンをどのように戦力化したのか、その秘訣に迫りましょう!

こちらはセミナーレポートの前半です。後半についてはこちらのリンクをご覧ください。
インターン100名以上を戦力化するキュービック社とのセミナーレポート【後半】

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学生と働くスタイルは創業期から

藤原義人(以下、藤原):早速ですが、実際のところ、140名もインターンって必要ですか?

世一英仁氏(以下、世一):今インターンがいなくなったら、社員が悲鳴を上げますね

藤原:悲鳴ですか!本当にインターンがかけがえのない存在になっているんですね。でも140名のインターンを人件費換算したら、1人月60時間としてそれが年間だと、1億超えるイメージですよ。

世一:1億と聞いて今辞めようかと思いましたよ(笑)

藤原:(笑)ところで、今でこそ140名ものインターンが在籍する御社ですが、そもそもインターンシップを取り入れようと思ったきっかけは何だったんですか?

世一:インターンシップを取り入れたのは、ずばり創業時からです。創業当初は猫の手も借りたいほど忙しかったので、学生に手伝ってもらっていましたね

実は僕、大学に入ってからは学習塾で非常勤講師のアルバイトをしていまして。休業期間も含め、そのアルバイトを6年間やりました。その頃の教え子が、僕が創業した頃にはちょうど大学生になっていたので、アルバイトとして仕事を手伝ってくれないかと声をかけました。これが現キュービックのインターンシップ文化のはじめりです。そのときからインターンをしているメンバーは現在29歳になって、社員として引き続き働いてくれています。

藤原:それはすごいですね。インターンシップを始められたストーリーも非常に納得感があります。
でも一度や二度ならともかく、インターンを"採り続ける"企業はめずらしいと思うのですが、ここまでコンスタントに採用しているのには何か理由があるんですか?

世一:確かにめずらしいかもしれませんね。実際に「インターンを今後も取り続けるべきか?」と少し考えた時期もありました。というのも、やはりインターンを戦力化するためには時間もかかりますし、当然彼・彼女らには学業があるので毎日安定して出勤してくれるわけでもありませんし、大学4年の3月になれば一定数が卒業していきますし……。

でもインターンと共に働くメリットと天秤にかけたら、インターンを減らす必要も、やめる必要もないと思ったんです。それだけ、今はインターンと共に働くことに大きな価値を見出しています。

学生間の伝播が採用の鍵

藤原:インターンをコンスタントに採用する仕組みはありますか?

森實泰司氏(以下、森實):「仕組み」と呼ぶほどのものではないかと思いますが、既存のインターンのエンゲージメントを高めることは重要だと考えています。

藤原:エンゲージメントですか。

森實:はい。在籍しているインターンのエンゲージメントが高まれば、サークルやゼミをはじめとする自らの所属コミュニティの中で、会社の話を喜んでしてくれるようになるからです。

そうなれば自然とヒトは集まるもので。インターンの多くが、卒業するときには自分の後輩を連れてきてくれるので、大変ありがたいことに現在は放っておいても代々学生が入ってきてくれるような状態となっています。学生の間で連鎖的に広がっていくという感じですね。

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学生のインターンシップをする目的と内容を擦り合わせて「覚悟感の醸成」を

藤原:実際応募が来ると次は面接に入りますよね。だいたい私たちは1〜2回を推奨しているんですが、1回で面接が終わるとインターンシップの目的が擦り合っていないまま勤務が始まってしまい、マインドの形成が不十分なままなんとなくで働いてしまう学生も出てきてしまうんですよね。キュービックさんでは、そのような事態を回避するために面接の際、何か気を付けていることはありますか?

森實:一概には言えませんが、おっしゃるとおり、ビジネスパーソンとしての基本的なOSがインストールされていない学生がほとんどですよね。大人であれば自身で律することができても、学生ではそれができないこともある。だからこそ引き締めるところはきっちり引き締めるというのが大事だなと思います。

例えば、1次面接のときに必ずしているのが、「月間60時間以上出勤する」という約束です。これはマストですね。やはり学生ですと、学業やサークル活動などにも当たり前に時間を割かなくてはいけませんし、遊びだって忙しい。時間の投資先の選択肢が多い、時間の使い方の自由度が非常に高いという状況の中で「キュービックで60時間以上働く」という意思決定を自分自身でしてもらう。それが、自己成長の第一歩として非常に重要であると考えています。

あとは、キュービックのインターンシップでは他のアルバイトとの兼業を禁止にしています。実際の面接でもアルバイト実施有無の確認をし、アルバイトをしている学生にはその旨を説明しています。これまで10年間学生と共に働いてきて、学生がアルバイトを掛け持ちしながらインターンもするというのは、なかなか現実的に難しいということを感じました。

ある程度出勤時間を確保しなくては、業務を覚えることが難しいですし、重要な仕事もなかなか任せられないのです。そうなってしまっては、仕事を通じての成長はありません。それは、お互いにとって不幸なことでしょう。ですからキュービックでは、入社の段階で、いかに本人の成長機会を得られる環境を整えられるか、モチベーションに火をつけられるか、という点を大切にしています。

藤原:なるほど。非常に共感できます。我々の社内ワードで「覚悟感の醸成」と言っているんですが、やっぱり目的意識なく始めてしまうと、中盤くらいからモチベーションが維持できなくなってしまいます。アルバイトやゼミ、就活などがあると、大学生活の中でも優先順位がどんどん変わってくるので、シフト数も減ってくるんですよね。

だからこそ、キュービックさんのように「60時間出勤する」や「兼業禁止」ということを最初に握ることが大切だと思います。そうしないと、課外活動に合わせたインターンシップになってしまいますからね。"学生の目的とインターンシップ内容の擦り合わせをする"、これが本当に重要ですね。

「大学卒業までインターンシップ」のカルチャーを当たり前に

藤原:インターン生が入った後、業務の指導はどのようにしていますか?

世一:まずは初期研修があり、それから業務マニュアルにも目を通してもらいます。それが一通り済んだら、現場に入ってもらいます。仕事を教わるのがインターンなら、序盤で仕事を教えるのも先輩インターンです。グループが結構小分けにされていて、インターン生5~8名に社員が2〜3名程度が付いて指導していきます。

藤原:OJTだと社員が負担を感じるというのがよくあるみたいなんですが、そういうフェーズはなかったですか?

世一:一定の出勤時間があって一定の能力を持った学生なら、その場の負担よりも数カ月先のパフォーマンスに対する期待の方が上回ってくるものです。当然、現場にいる社員からすれば、指導をするより自分の仕事を進めたいというのが普通だと思いますが、育成の結果、自分の仕事が楽になってよりハイクラスな仕事ができるというのは経験から理解できているので、そこまで負担には感じていないように思います。

藤原:でも、インターンって社員ではないじゃないですか。数ヶ月で辞める可能性があるのに、そこまで社員のパワーを割いて育成する必要があるのか、というのは本日お越しのみなさんも疑問だと思いますがどうでしょうか。

世一:うーん…それが実際、数カ月で辞める子はそんなにいないんですよね。だいたい卒業までは働いてくれます。

森實:そもそも事業はヒトがつくるものですから。ヒトを育てて戦力化するという視点からは目を背けてはならないと考えています。それは学生だろうが社会人だろうが、インターンだろうが社員だろうが同じことで。上司がどれだけインターンと向き合って戦力化できるかというのが、事業の本質でもあるとだと思います。

藤原:いや、とても共感できます。ところで、先ほどインターンの多くは3年ほどは働いてくれるとおっしゃっいましたが、これ、定着期間が非常に長いですよね。それはどうしてですか? 普通は半年から1年くらいで辞める子が多いものですけど。

森實:好きなバイトがあったら最後卒業までやるというのと同じじゃないでしょうか?

藤原:とは言え、普通のアルバイトをやっていても2〜3年は続かないですよ。さてはキュービックさんまだ何か話していない秘密がありますね?(笑)

森實:あるかなあ?(笑)

世一:ないんじゃないか?(笑)

藤原:(笑) ちなみに結構就活のタイミングで辞める人が多いと思うんですけど、就活が終わったらみんな御社に戻ってくるんですか?

世一:大半の学生は、就活が終わってからインターンとして戻ってきますね。毎年みていてもみんな戻ってくるし、社内も復帰大歓迎感があるので、たぶん戻ってきやすいんだと思います。

藤原:へえ〜。稀有ですよそれ。

世一:そうですか?僕の感覚からすると「逆に何で辞めるの?」って聞きたくなります。就活したからと言って辞める理由はどこにあるんだろうなと。

あ。ただ、一度離れると社内チャットの未読件数がすごいことになるので、これで戻るのはちょっとって躊躇う気持ちは分からなくもないですけどね(笑)

会場:(笑)


後半は戦力化についてお聞きします。こちらから!
【後半】インターン100名以上を戦力化するキュービック社とのセミナーレポート

著者プロフィール

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岩崎 果歩
慶應義塾大学に通う女子大生。1年生の夏より、株式会社アイタンクジャパンのライターインターン生。趣味は散歩と読書。休日は一人で美味しいごはん屋さん巡りをしている。

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