「採用はトライ&エラー」今までインターン採用しかしたことがない株式会社MOBBでインターン生が活躍する秘訣とは!?

デザイン・テクノロジー・マーケティングの力で、未来の社会や事業の在り方を創り出すデザインコンサルティングファーム、株式会社MOBBのインタビューをご紹介します。WEBや空間、イベント、プロダクトやサービスなど多岐に渡るデザイン領域を最新のデジタル技術を駆使しながら提供しています。

そんな株式会社MOBBでは2014年5月の創業以来、今までインターン採用しか行ったことがないとのこと。(※リファーラルによる中途採用を除く。)現役インターン生を含めた多くの若手が活躍しており、自由な雰囲気が印象的な株式会社MOBBのインターン生戦力化のコツを伺ってきました。

■この記事のポイント

  1. 優秀な人材を採用するのに最適な採用手法がインターンだった
  2. インターン生の成長=会社の成長
  3. 優秀な人材を採用するにはトライ&エラーが不可欠

1. スタートアップが世界の第一線で働くような人材を「採用できる瞬間」

ーインターン採用を導入したきっかけは何ですか?

川邊さん:
創業当時、MOBBはデザイナー、エンジニア、新人、僕という知り合い同士4人だけで始めたスタートアップでした。優秀な若手が欲しかったのですがお金もなかったのでどうしようかと思っていた時に、ちょうど当時アイタンクジャパンにいた宮澤からインターンの話を聞き、いいなと思いました。ですので正直インターン生を採用したいと思って導入したわけではなくて、とにかく優秀な人材がほしいけど、うちの規模では優秀な中途が採用出来ないというところに対して、インターン採用が有効だと判断しました。優秀な人材をたくさん採用していきたいという考えと、宮澤からの提案が合致したので導入に踏み切りました。

宮澤さん:
インターン採用を始めた理由も人材にこだわりたいという想いからです。僕達は小さいスタートアップとはいえ大きいことをやろうとしているので、正直中途で、例えばグーグルでバリバリ働いているような人を採用したいというのが本音です。しかし、お金も知名度もないのでそこの層は採用が難しい。

そこで、この僕達の大きいビジョンを達成するための仲間を集める手法として、志が高くて、”社会に出たらグーグルとか行って活躍するんだろうなぁ”という在学中の学生をターゲットと考えました。大企業と比べて、持たざる者であるベンチャー企業の僕達が、「求める人材を採用できる唯一の瞬間」、それがインターンシップだと考えています。

2. インターン採用によって未来のMOBBにとって良い状況が作られた

ーインターン採用を導入してみて、変化したことはありますか?

宮澤さん:
凄くわかりやすいところだと、英語を使えるメンバーが増えました。英語を使える人は基本的に行動力もありますし、MOBBの自由な風土とも相性の良い方が多いようです。僕たちも面白くて新しくてクリエイティブな事に取り組む場所は日本にとどまらないと思っているので外国人のメンバーも採用していますし、そういう部分では良いシナジーが生まれています。志を重視して採用した結果なので意図せずですが、未来に向けて良い状況が作られるきっかけになりましたね。

川邊さん:
ただ、学生が増えることによって、「想い」がある仕事がしたいという気持ちが増えた反面、利益を追求する意識が若干薄らいでいってしまうことがありました。しかし、これは全体的に見るとプラスだったのではないかと思います。

宮澤さん:
学生があまりにもキラキラした事言うんですよ…(笑)「確かにその方がワクワクするね。」というような。僕たち経営陣が、「きちんと稼いでいるからこそ新しいことに取り組める」という意識を失いそうになり、大怪我しかけた時期がありました。ただ、それも今ではバランスを取れるようになってきました。利益を生むこととワクワクする事業をすること、どちらも正しいので、両方ともやるというように正したのが最近のことです。

川邊さん:
結局、想いをしっかり持っている学生も、自分が言っていることだけでは利益が出ないと気づきます。僕たちが気づきさえ与えれば、学生もどうすれば利益も想いも両立できるかをきちんと考えますし、優秀なメンバーはそこを理解した上で突っ走ってくれます。

3. インターン生が成長しないと会社も成長しない

ー優秀な人材を採用できている印象を持ちましたが、導入してみて苦労などはありましたか?

川邊さん:
たくさんありました。教育体制がないだけでなく、何の仕事を任せるかも決まっていない状態で採用してしまったので、そういった意味では導入した当初は明らかにコストでした。加えて、インターン生ということなので、権限をどこまで移譲するのかというところも当初は難しかったです。

初めはインターン生に社内の仕事ばかりを任せていたのですが、それではインターン生が伸びず、僕達の利益に繋がりませんでした。そういうところでインターン生の活用は難しいと感じました。非常に優秀な学生は来てくれるが、僕達がインターン生に仕事を提供出来ないというところからスタートしたので、最初は教育の重要性などを感じました。

例えば職種で言うと、営業職は今の状況になるまでにトライ&エラーを繰り返して1年ぐらいかかりました。インターン採用を導入した当初は、スタートアップとしてプロダクトを開発しているシードの段階だったので、営業の仕事=受注する事という段階ではなく、投資家とのアポを取ってきたりという、何を成果とするのかが明確ではなかったので苦労しました。すでに営業方法が確立しているモノやサービスであれば、目標予算や商談件数などのKPIを設定することで、未経験のインターン生でも成果を上げることができると思うのですが、スタートアップなのでモノを売るのではなく、コネクションを作ることから始まります。

まだ何が正解か定まっていない段階なので、成果を出させることが非常に難しいと悩みました。ですので当時はインターン生を上手く活用しているという認識はなかったです。

宮澤さん:
良い学生が入ってくれていたのですが、僕達が学生のアウトプット先を調整出来ていなかったので、ライティング業務や自社プロダクトのマーケティングプランを考えて実行してもらったりと、社内の業務しか任せていませんでした。そのため何を成果にしていけば良いかが数字として見えづらい時期がありましたが、最近ではどんどんお客さんの前に出し、今までは社員と遜色なくディレクション業務や提案等も任せるようにしました。

そもそも社員とインターン生というような差をなくすことによってインターン生が上手く機能するようになりました。少し話が逸れるかもしれませんが、実はMOBBでは「インターン」という言葉を社内で廃止したんです。MOBBにインターンはいないというか。理由としては、「インターン」という言葉は広義で、ともすれば「ままごと」のようなインターンも世の中にはあるため、「インターン」=「社員よりも緩いもの」というニュアンスが感じられてしまうからです。MOBBの学生メンバーは、インターンというには優秀すぎるので。自慢ですが(笑)

川邊さん:
ただ、インターン生が後々卒業していなくなることも想定はしていました。営業職では、お客さんにとって「その営業マンだから買う」というように、会社や商品にではなくその営業マンにお客さんが付いていくものと思っているので、インターン生が辞めると同時にクライアントごと失注してしまうというリスクを恐れていました。

4. トライ&エラーを繰り返すことによって出来た最高の環境

ーそういうリスクも考えていた中で、インターン生をクライアント先に出すように変更したのはなぜですか?

川邊さん:
クライアント先に出さないとインターン生が成長しないと感じたからです。さらに言うと、クライアント先に出たインターン生が自分の成長を実感することで、新卒採用にも繋げやすいと考えています。せっかく採用した優秀な人材を社員化したいという考えはあるので、クライアント先に出るという責任感のある仕事を任せています。

宮澤さん:
もちろん、資料の共通化や、社員がディレクションのサポートをする体制の構築など、リスクを少しでも減らすための社内オペレーションの整備も同時に進めているからこそできることです。

それから、責任ある仕事をして、一緒に走ったメンバーが新卒でMOBBに入らず「外で活躍している」ケースもとても多いです。MOBBマフィアじゃないですけど、各所にMOBBっていう共通項のある優秀な人材がたくさんいる人材がつくれることも、インターン導入の大きな魅力だと思っています。

ー優秀な人材を採用したいと悩みを抱えている企業にアドバイス等いただけますか?

川邊さん:
トライ&エラーするしか無いですね。優秀な人材を採用して活用できていない現状と、優秀な人材が採用できて活躍している会社の未来では、考え方や文化、事業に到るまで全く違うと思うので。採用においてミスマッチは絶対起きると思っています。求人を出した時の企業側が打ち出したいイメージと、その求人を見て応募した人が実際働いてみた時のイメージってずれていたりするんですよね。しかし結局はそのイメージの違いをどう埋めるかが大事だと思っています。ですので企業も変わり続けないといけないというか、その人が働いてみて「この会社おもしろい!」と思わないと継続して働いてもらえないんですよね。

そもそも面白くない会社は自分たちで面白い会社に変化していけば良いと思いますし、「働きたい」と思われる、もしくは自分たちも「働いていて面白い」と思う会社を目指さないといけないと思います。社内からも社外からも面白いと思われて、愛されて。そういう会社が社会を動かしていきそうじゃないですか。

そういう意味のトライ&エラーです。やらないといないことはすごく増えますし、大変だと思います。当然のように時代は進んでいて、働く人の考え方や常識も変わっていきます。もしかしたら会社のコンセプトや走り方も、変える必要がでてくるかもしれないですね。

宮澤さん:
僕は前提、企業はインターン採用を100%導入した方がいいと思っています。優秀な人材がいない方が良いという業界なんて100%無いと思いますし、そういう人材を採用するためにどうするのか?というところを頭を使いながらポジティブに考えていくべきだと思います。

企業を作った以上、企業を持続させるのは使命です。市場の変化、社会の変化に適応するために、採用したい層となる人材をしっかり理解して会社も事業も変えていかないといけないということは、みんな目をそらしてしまっているだけで本当は理解しているはずなんですよ。とは言ってもやはり手間もお金もかかるので結構大変ですが、これは絶対やった方が良いコストです。

決して全ての古いものを変える必要があると言っているのではなく、市場にどう適応していくのかや、先読みして市場を作っていくために変化するべきこともあるという意味です。学ばないといけないこと、やるべきことは増えますし、トライ&エラーで変化し続けるということが大事ですね。

5. インターン成功の秘訣はその企業の”社風”

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ー「MOBBならでは」の、インターン採用が上手くいった秘訣などはありますか?

宮澤さん:
僕達の特色は、垣根がないことにあると思っています。職種はありますが、デザイン・プログラミング・マーケティング、全ての垣根が曖昧になっていますし、学生(インターン生)と社会人という垣根も曖昧です。ですので意思決定や責任範囲なども完全にない交ぜにしています。こういう風土も、インターン生を上手く活用できていたりインターン生の力を最大限に引き出せているカギだと思います。

川邊さん:
元々僕自身が高卒ということもあり、学歴やエリートかエリートじゃないか等はどうでもいいと思っています。学歴が関係なくても、先をしっかり見据えて頑張って取り組むことで、どんな人でも何かを成せると思うので。僕は「能力や可能性を秘めた人達が力を最大限に発揮できる場所を作りたい」という想いを込めてMOBBを創業しました。

個々の思考やスキルを融合させることで、型にはまらない未知数の可能性を生み出し化学反応が起きるとも思っています。志のあるモブキャラが集まって化学反応が起きるイメージです。MOBBのそういう文化に、学生が入ったことにより肉付けされて、さらに今とてもいい感じになってきているのかなと思います。

宮澤さん:
MOBBは未来の社会、未来の事業を作り出していくデザインコンサルティングファームを目指しています。それを目指す上で、エンジニアはエンジニア、デザイナーはデザイナーという住み分けをするのではなく、エンジニアでもデザインやマーケティングの観点が無いと良いモノが作れないと思っているので、その境界を曖昧に出来ていることが僕らの強みなのではないかなと感じます。デザイナーやマーケター、エンジニア、学生、言語や国籍もごちゃ混ぜで働いているので、新しいものも生み出していけているではないのかなと。

デジタルとアナログの間や、社会貢献と収益化事業の曖昧さとか、境界を曖昧にしていけているのが「MOBBならでは」ですね。インターン生には「インターン生」としてではなく、「MOBBのメンバー」としてこれからも一緒に働いていきたいと思っています。

6. まとめ

MOBBさんのように優秀な人材を採用出来ないと嘆かれている企業も多いのではないでしょうか。MOBBさんのように、新卒として社会に出たら大手企業で活躍するような人材を、学生の時に採用するという考えは非常に有効と感じました。また、合わせて優秀な人材を採用するにあたって、トライ&エラーで会社を変化させて行くことが必須なようです。貴重なお話ありがとうございました!

著者プロフィール

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伊藤 彩
株式会社アイタンクジャパンの関西支社営業部のインターン生。大手人材企業の内定を辞退し、アイタンクジャパンに入社を決意。3度の飯より睡眠。

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