未経験エンジニアを育成して新商品開発に成功!株式会社アベイルにインターン生の育成ノウハウを伺ってきた!

今回は、アパレルやファッション業界に特化した業務用システムを企画・開発しているIT企業、株式会社アベイル様にお邪魔してきました。お話を伺ったのは取締役兼、技術統括・品質管理部長でいらっしゃる荻野様、そしてエンジニアの高木様のお二人です。

未経験の学生をエンジニアとして採用し、新規プロジェクトを進めていらっしゃるアベイル様に、育成のコツやインターン生への思いを伺ってきました。

この記事のポイント

  1. 学生の成長スピードなら未経験からのエンジニア育成も有効
  2. 目的のすり合わせができていれば、学ばせるだけのインターンシップで終わらない
  3. 成果を出させるために必要なのは、まずは信じて任せること

1.新卒採用・人材育成スキルのためインターンシップを導入

ーなぜインターンシップを導入しようと思ったのでしょうか?

荻野さん:新卒採用の難しさを実感していたのがきっかけです。私たちはアパレル専業のシステムメーカーとしては国内随一、唯一だと思っています。業界の中での認知度はあるのですが、残念ながら学生からの認知度はあまりありません。大学とのつながりがあるわけでもなく、新卒採用には苦労している状況で、かつ、新しい人材を入れて育てていく体制も整っていませんでした。

新卒採用のノウハウもない状況でしたので、キャリアバイトの方からインターンシップの提案をいただき、導入してみようと話が進みました。現在は4人のインターン生が活躍してくれています。

ー新卒採用に向けて、インターンシップを選択した理由は何だったのでしょうか?

荻野さん:最終的な目的としては、新卒採用につなげていきたいということなのですが、その前段階としては、社内での教育体制を作っていきたいという狙いがありました。エンジニアの高木がインターン生の面倒を見ることで、社内でエンジニアを育成するスキルを持つ人を育てたいという理由から、導入に至りました。

2.アルバイトとは違う、何か為になることをやらせてあげたかった

ーインターン生にはどのような仕事を任せているのでしょうか?

高木さん:インターン生には2種類の仕事に分かれて担当してもらっています。1つは新商品の開発です。
ちょうど、「ハンディ・ターミナル」という在庫や棚卸しをするのに使う機器を、スマホのアプリで代替できないだろうかという提案が社内から上がっていて、若い人材の力を活かすのに最適な業務ではないかと考えました。しかも、プログラム未経験のインターン生を採用したので、せっかくだから新しいことをやってみたいなと思い、ハンディの代わりになるバーコード・QRコード認識アプリを作ろうということになりました。現在はある程度形になってきていて、社員に見せながら改善しているところです。

荻野さん:ハンディは購入すると一台で10万円以上することもありますし、普段使っているスマホで代替できたら、お客様も便利に思ってもらえるのかなと思っていました。加えて、今の若い人たちはスマホを非常に上手く使えていますし、馴染みやすく面白いのかなと思いました。

ー具体的にはどんなことをやっているのでしょうか?

このプロジェクトに3人のインターン生が参加しており、それぞれ別の役割があります。アプリのフロント部分を担当しているインターン生は、バーコード・QRコードを認識する機能を実装し、ボタンのデザインや画面全体の色合い、レイアウトなど全体のデザインも任せています。バックエンド部分を担当している学生は、読み込んだデータ(バーコード・QRコード)の保管機能や、そのデータを後で呼び出して表示させる機能を実装しました。
もう1人のインターン生は、アプリと外部との通信部分を担当しています。例えば、Android内に保存されているデータをサーバーの中に送ったり、パソコンの中のデータをAndroid内で表示させたりする機能です。3人の作業をまとめると一連の流れとしてプロダクトにつながっていて、完成するようになっています。進捗については、「1ヶ月後にはここまで進めておいて」といった大まかな希望のみ伝えた上、毎出勤後にどこまで作業が進んだのか確認をしました。基本的にあまり口出しせず、彼らに任せ、何か質問があれば対応をしていました。

ー昨年の夏(2016年8月)ころにお話を伺った際には、インターン生が新しいことに挑戦しないというお悩みを伺いました。その状況が変わった理由は何だったのでしょうか?

高木さん:何か特別な取り組みがあったというよりは、できるだけ多く来てもらって、仕事の楽しみを感じてもらえるようにしたことです。インターン生には「何をしたい?」「どうしたい?」というのを聞くようにしていて、それができるようにしようと、話をしていました。最初はインターン生たちが何ができるのかも分からないので、ひたすら教えることをしていたのですが、だんだんできることが増えてきて、本人たちがどんな仕事だったらモチベーションを保って楽しみながらやれるのかを考えていました。

ーこのプロジェクトが始まったのはいつくらいだったのでしょうか?

高木さん:始まったのは9月くらいでした。1人のインターン生に、新しいことをやると話したときは尻込みしていたのですが、「君が先駆けになって、そこに皆がついていくんだよ」と、やる気を高められるように声をかけ続けていました。また、少しでも支援になればと思い、業務にあたって必要な書籍があれば会社で購入するとも伝えていました。

ーインターン生の1人に新規プロジェクトのまとめ役を任せた理由は何だったのでしょうか?

高木さん:一番の理由としてはその時いたインターン生の中で、周りのインターン生によく声をかけている姿勢から、コミュニケーション能力がありそうだなと思ったことです。

荻野さん:エンジニアには内向きな性格の方が多いような気がしますが、彼であれば上手くコミュニケーションをとって進めてくれそうだなと感じていました。

ーどのようなステップでインターン生に新規プロジェクトを任せていったのですか?

高木さん:課題への取り組み方やコミュニケーションの取り方などから、今のインターン生がいれば新しいことができそうだなと期待できました。具体的な課題として、VB(visual basic)という言語を使って、電卓をプログラムで作ることができるレベルになったインターン生が新規アプリのプロジェクトに参加しています。週2日勤務であれば1ヶ月以内、週1日勤務であれば2ヶ月ほどで、四則演算を混合した複雑な計算や、=を連続で押した場合の計算などの細かい機能まで電卓に実装できるレベルに到達できるインターン生が多いです。

そういった学生の様子を見ていて、ここまでできるなら伸びしろがありそうだなと思いましたし、任せてみても面白いのかなと思い、「君たちがメインでやっていくんだよ!」と声をかけていました。これくらいチャレンジさせてあげられなかったらアルバイトと変わりませんし、何か彼らの為になることをやらせてあげたかったんです。

とはいえ、自分の仕事も忙しいので、このようにインターン生に指導して成長をしてもらえないようだったら、今後インターン生を持つのは難しいのかなと思っていたところもありました。うまく進んできてよかったです。

3.シフト調整の難しさを利用して新規プロジェクトを任せた

ー実際にインターンシップをやってみてどうでしたか?

荻野さん:インターン生はやる気があるところが非常にいいと思います。モノ作りの楽しさは、自分で考えたことをやってみることで実感できるものですから、インターン生にとっても良い経験になったかなと思います。

高木さん:向き不向きはありますけど、覚えとか飲み込みとかは非常に早いです。ただ、当初は「なかなか毎日は来てくれないものだな・・」とシフト調整の悩みは尽きなかったですね。

ーシフト調整が難しい中でどうやって結果を出したのでしょうか?

高木さん:フルタイムではないので、日常の仕事、ルーチンワークを任せるのは難しいというのが実際のところです。そのため、新規プロジェクトを任せてみようと考えました。限られた時間の中で、非常に楽しみながらやっているなと感じますし、新規プロジェクトを任せてみたのは正解だったのかなと思います。

荻野さん:正直な話、この新しい商品が商品化されなかったとしても、会社としてはマイナスではないですし、もしできたらプラスになります。フルタイムではないということを逆手に取って、ローリスクで新しい商品開発に取り組めたことは収穫でした。さらに、様々な社員が協力的になっていることも良い流れです。昨年末の最終日に「ここが動かないんです」と帰りが一時間遅れたことがあったのですが、数名の社員が集まってアドバイスをしているのを見て、社員も含めて楽しんでやれているみたいだなと感じました。

4.インターンシップのおかげで刺激と成果、課題を得られた

ーインターンシップをやってみてよかったなと思うところはありますか?

高木さん:いい意味で刺激を受けましたね。社内に自分よりも年下の人がほとんどいないので、インターン生がアグレッシブな発想だけで突き進めるのを見ていると、自分もそういう面をもっと出さないといけないのかなと思いましたし、もっと勉強して彼らに還元したいという前向きな気持が湧いてきました。

荻野さん:まず会社としては、人に教えるという環境づくりができたことが、インターン生を採用した大きな成果です。また、当社が学生からどう見えているのか、今後どうすればいいのかのヒントも得られました。今後、新卒社員が入って来てくれるのを目指して会社も変化させていきますが、そのきっかけの一つを得られたのは非常に大きいです。

もっと直接的にインターン生の声を聞けるようにしたいと思っています。高木を通さなくても、直接私が話を聞ければ一気に話を加速できるかもしれませんし、社内全体として、いろいろな社員とインターン生が関われるようになるといいですね。そこが今後取り組むべき課題だと思います。

ー今後、インターンシップでやってみたいことはありますか?

高木さん:4人のインターン生のうち、1人だけ既存事業の主力商品である「経営改革AP+」の新機能開発をやってもらっています。今後は4人全員にもう少し既存事業の実務にも携わってもらい、当社のエンジニアの実務と新規プロジェクトとのバランスをうまくとれるようにしていきたいです。

荻野さん:売上に直結する部分の実務をやってもらえると、会社としてのメリットも大きいので、インターン生の今後の取り組みと成果にさらに期待しています。また、それを通じてインターン生にも新たな経験を積んでもらいたいですね。

ー編集後記

今回のインタビューでは、アルバイトでは経験できないことを経験し、何かプラスにして欲しい、モノ作りを楽しんでほしいという、インターン生に対する温かい気持ちを感じることができました。また、それによってインターン生のモチベーションを上げ、新商品の開発にも成功するという成果も出ています。インターン生がインターンシップの期間に成果を上げるには、会社側からの期待や信頼というのも1つのポイントになってくるのかもしれません。

著者プロフィール

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新保 雄大
新潟から上京し、理系2年・文系4年と大学6年目の4年生。2015年の6月からライター業務を始め、2016年10月31日から株式会社アイタンクジャパンに参加。趣味はビリヤード・天体観測・お酒。好きな食べ物はニンニク。

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