『インターン生の成長とやりがい』×『会社の成長と効率化』を組み合わせたインターンシップ制度の設計方法とは?

今回は、インターン生の受け入れ体制の改善によって採用成功の成果をあげている株式会社インフォランス様にお話を伺いました。

インフォランス様は「全ての企業が課題として抱えている、本業以外の経営側面部分を幅広く支援することを通じて、社会に必要とされる日本唯一の会社となる」をビジョンに掲げ、経営コンサルティングや外国人採用支援など幅広い事業を手がけています。代表の佐々木様と、インターンシップの設計・指導を行っていらっしゃる江島様に同社のインターンシップ制度についてお話を伺いました。

■この記事のポイント

  • インターン生が担える業務分担で社員の効率的な働き方を実現
  • インターン生がモチベーションを維持できるような企画作り
  • 「考える」「実行できる」という点を重視した人材の採用

1. コアメンバーの社員には生産性の高い仕事を

–インターンシップを知ったきっかけは何でしょうか?

佐々木社長:もともと採用の一環としてインターンシップを行っていました。採用時に内定を出しても入社してみたら全然パフォーマンスが上がらないというリスクを減らすためのものです。

しかし、2年前から採用とは別の枠でインターンシップに参加してもらい、外国人採用支援事業における留学生の集客業務をやってもらいました。採用の一環から事業に携わってもらう形にしましたが、当時はまだ社内のインターンシップ指導体制がずさんだったために、当社にとっては貴重な優秀な人が集まってもすぐに飽きて辞めてしまうという状況でした。インターン生に関わる社員との認識の違いから「つまらない・コミュニケーションがない・成長感がない」という状況になってしまい、優秀な人材が入ってもすぐに去ってしまっていたんですね。

そんなときに「キャリアバイト」の話を聞き、実践型のインターンシップを成功させるために必要だという業務ステップを作って再チャレンジすることにしました。

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2. 実践型インターンシップで学生の高いモチベーションを維持

−採用活動としてのインターンシップから実践型インターンシップを強化した背景を教えてください。

佐々木様:今後の流れとして、当面は社内の組織を「クリエイティブクラス」と「ゼネラルクラス」と明確に分けることにしています。「クリエイティブクラス」にはコアメンバーとして上昇志向を持って仕事に取り組んでもらいます。そして、その他のコアメンバーでなくてもできる仕事はどんどんアウトソースをしていきます。そのアウトソーシングの一環として、事業の一部を切り取ってインターン生に任せることにしました。その方が効率的だと考えたからです。社員とインターン生とでそこまでアウトプットにクオリティの差が出ない業務であれば、費用対効果を考えて、インターン生に任せた方がいいのではないのかと考えました。

採用とは切り分けたインターンシップにしていますが、とはいえ当社の仕事を楽しいと思ったインターン生は入社を希望してくれます。現在、その人の能力が、当社が求めるポジションに必要な能力にマッチすれば採用もしたいと考えていますが、頑張っているからそのまま正社員とするような選考の一環のインターンシップではないですね。

「ここに入ったらどんな成長ができますか?」などの指示待ちの人は他を当たって欲しい、一緒にやる仲間、自発的に考える人と働きたいと思っています。仕事、能力、理念が合わない状態の「なんとなく採用」はやらずに、良い人材と働くポジションがマッチすれば採用する形にしました。実践型のインターンシップも同様です。

−今のようなインターンシップ制度にするにはどのような過程があったのでしょうか?

佐々木社長:以前の受け入れ体制と同じではまた失敗してしまうので、江島に主体となってもらって体制を変更してもらいました。インターン生を入れるときに重要なのは、入れることよりもどういうプログラムでやればモチベーションを高く継続できるかです。

そのために、どのようにしたらインターン生が満足できるかについて考えました。

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(上の写真のように、インターン生の指導マニュアルも作成)

3. 高いモチベーションから良質なアウトプットを引き出す

−インターン生を採用して良かった点を教えてください。

佐々木社長:インターン生と社員にはモチベーションに違いが出てきます。例えば、何かの企画を任せた時に、「ゼネラルクラス」の社員だと、慣れた業務なのでそれは”作業”になってしまいます。しかし、初めて取り組むインターン生は楽しくて仕方がないという姿勢で取り組むんですよね。そのモチベーションの違いは、当然アウトプットの違いにも現れます。そのため、任せるならコストを最小限に、パフォーマンスが高いインターン生に任せようと思っています

–インターン生が面白いと思って取り組める秘訣は何でしょうか?

佐々木社長:短期間だから楽しいというわけではなくて、面白くなるかどうかは企画の責任だと考えています。学生もどんなものでも楽しむわけではないので、会社が学生と一緒になって面白いものを作ろうと取り組むかが重要だと考えています。

4. 数字に基づいた実績を得ることができる企画づくり

–インターン生の仕事内容ついて教えて下さい。

江島様:インターンの業務は「通常業務」と「プロジェクト業務」との2種類に分かれています。「通常業務」では、社内で発生する総務・事務等の様々な仕事をお願いしています。

「プロジェクト業務」は、3ヶ月程度の期間に自分たちでプロジェクトを作って実施してもらうものです。毎回テーマがあるのですが、例えば「サービス利用対象となる留学生100人を集客する」であったら、それをテーマにプロジェクトを作ってもらいます。やり方は問いません。

作業だけだとアルバイトと変わらず、インターン生の成長につながらないので、何か実績となるものを残してあげたいと考えました。私たちもプロジェクトがうまくいけば助かるし、インターン生にとっても就職活動するときに「留学生300人を集客しました」「一つの投稿で外国人から”1000いいね”をもらいました」のような数字に基づいた実績があれば、胸をはって言えるのではないかと思いました。

また、プロジェクトを進める上で事業ドメインをよく研究し熟考するので、本当に事業に共感した上で、当社に来たいと言ってくれるインターン生もいます。実践を通して理解していくので、インターン生の「働きたい」という想いも強くなります。もちろん、実績を作って他の企業へ行くインターン生もいますが、それはそれでよく頑張ったと送り出しています。

5. 適材を採用することで自社にもメリットを

–入社意思もあり、活躍してくれるインターン生を採用するまでに、どのような選考基準を設けていますか?

江島様:「しっかりと考えている人」、「実際に行動している人」を求めています。理想や希望を語る人はたくさんいますが、「これがやりたいから今までにもやってきました!」という学生を採用したいと考えています。

例えば、「経営コンサルティングをやりたい」と言いながらも、コンサルティングとは何かという問いに対して答えられない学生がたくさんいます。憧れに陥っている学生は、しっかりと調べて本当に自分がやりたいこと何なのか考えて欲しいと思います。採用されたインターン生たちは、自分で考えて課題解決にアプローチできる学生なので、プロジェクトの走り出しが早いです。自主的にミーティングをしたり、資料を作るなどして積極的にインターンシップに取り組んだりしてくれています

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6. 従来の枠組にはまらない新しいインターンシップの形態に挑戦中

–今後はどのようにインターンシップを活用されていく予定ですか?

佐々木社長:これまでとは全く別のことに挑戦していくところです。例えば、映画を作るとき、制作が決定した段階で外部からいろいろな人を集めて作りますよね。そのように、社内ではなくて社外で新しい会社の設立をインターン生に任せて、外部から司法書士などのプロにサポートしてもらって定款作成、オフィスのレンタル、契約書作成などの全てを自分たちでやってもらう仕組みです。誰にでも出来るわけではないと思うので、適材適所を考えて、何でも自分でやってみたいという学生にチャンスを与えています

関連会社という位置付けで作って、成功すればグループ会社に、失敗すればまた次のチャレンジ、といった仕組みです。伸びそうな新規事業があっても、社内のエンジンがない場合があるので、外部で立ち上げることにしました。

会社での業務経験だけがインターンシップではないと考えています。数日間のインターンシップで事業立案をしたところで、ただのゲームになってしまうので、本当の会社設立をゼロから学生に提供しています。自分の作った会社でいきなり社長なることも可能です。これからも新しいインターンシップに挑戦していきたいと考えています。

–とても魅力的な取り組みですね。本日はお話いただきありがとうございました。

編集後記

実践型インターンシップでは、学生を受け入れることよりも、受け入れた後にどのような体制や内容で関わっていくかが重要という点が、今回お話を伺った中で印象的でした。社員の関わり方や業務内容が、学生のモチベーションに大きく影響を与え、学生の高いモチベーションを維持することが、会社にとっても価値のあるアウトプットにつながるのだと思います。

また、現在取り組んでおられる「社外で実際にゼロから会社を設立する」という全く新しい形態のインターンシップは、学生の立場からも非常に魅力を感じました。「挑戦し続ける社風」と「楽しんで働く社員の雰囲気」は、インターン生のチャレンジ精神を駆り立てる要因にもなっていると感じます。インターン生と会社の両者にとってメリットのある実践型インターンシップにするには、学生の「成長感」と「やりがい」をキーワードに制度を構築することが鍵となるかもしれません。

著者プロフィール

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浅見 早希子
下町育ちの大学3年生。発展著しいベトナム・ホーチミンにてベンチャー企業の長期インターンシップを経験後、株式会社アイタンクジャパンにライターインターン生として参加。趣味は旅行と睡眠。

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