長期インターンシップ生の育成方法・入社に繋がる3つのポイント

こんにちは、金子です。にわかに高まるインターンブーム。長期インターンシップに参加する学生も増えてきて、企業側もその実施を避けられなくなってきました。

長期インターンシップとは、一般的に1か月以上のインターンシップの事を指します。学生が短期インターンシップで経験できるのは、グループワークや会社説明などの体験型のものが多くなります。一方長期インターンシップでは、実務(営業やエンジニアとしての開発など)を通じて成果を上げ、実際に会社の利益にコミットすることで得られる実践型のビジネス経験を得ることができます。

かつてはベンチャー志向で、起業したいという学生や外資系企業志望の学生が多く参加しているイメージでしたが、現在は新卒採用の選考フローのひとつとしてメジャーなものになりつつあります。

長期インターン導入の企業側の目的は様々ですが、多かれ少なかれ「より自社に合う学生が、インターンで力を伸ばし、自社を志望してくれること」は目的として共通していることでしょう。

それでは、インターンシップを受け入れるだけで終わらせず、「入社したい!」と思わせるための社員側の取り組みをご紹介してきます。

1. インターン生への接し方で大切な3つのポイント

インターン生の受け入れ体制が…と悩んでいる場合ではありません。新卒採用においては全社一丸となって採用活動に取り組むときが来ています。

インターン生ともっとも接する機会の多い、現場の社員が取り組むべき「3つのポイント」をまとめましたので、ぜひ実施してみてください。まず学生の気持ちになって考えてみましょう。なぜインターンをするのでしょうか?インターンに応募して来る学生に面接をしていると、下記のような動機をよく聞きます。

  • 会社で働くということを知りたい、社会人として一緒に働いてみたい
  • 社会で活躍できるように、夢を実現できるように成長したい
  • 興味のある業界・業種・職種について知識やスキルを身につけたい

仕事へのイメージは漠然としている状態なので、それをクリアにするためのインターンであること、まだ先のことはわからないものの、できるだけ将来につながるインターンを希望していると言えます。

ではそれぞれに対して、どのように私たち企業側は答えることができるでしょうか。

  1. 会社で働くということを知りたい、社会人として一緒に働いてみたい
    【コミュニケーション】仕事のおもしろさ、社会人のおもしろさを伝える
  2. 社会で活躍できるように、夢を実現できるように成長したい
    【ステップアップ】同期から一歩リードできるよう、仕事で結果を出すことで自信をつけさせる
  3. 興味のある業界・職種について知識やスキルを身につけたい
    【スキル習得】その業界・職種に就くために求められる具体的な知識やスキルを修得できる機会を提供する

この3つの視点をもって接すれば学生は、インターン生としての充実を感じながらその会社やそこで働く社員にも魅力を感じることでしょう。この3つのポイントは、人事部だけ、社長だけ、直属の先輩だけ、など一部の人だけでの努力では実現しがたいものです。同じ視点をもって、それぞれができることを全うすることで充実したインターン生と、その後の社員登用を実現できます。ここからは、3つのポイント1つずつを見ていき、より具体的な行動に落とし込んでみましょう。

2. 深いコミュニケーションがインターン生の定着を高める

学生はどんな場面で仕事がおもしろいと感じ、働くということを実感できるのかと言えば、仕事がおもしろいと感じている社会人と接することに尽きます。

たまに、「仕事の裏側を見られて、志望度が下がったりマイナスの印象を持たれるのは困る」と、仕事の泥臭い部分や社員同士の関係を見せたくないという企業の方がいます。仕事の中の学生がおもしろいと思いそうな部分だけを切り出して、インターンを企画します。また、現場の社員がインターンに積極的でないがために、人事部の中だけでインターンをやろうとしがちです。

しかし、そのような取り繕ったインターンでは、学生は真の仕事のおもしろさを感じることは難しいでしょう。恐れることはありません!下記のようなコミュニケーションポイントで学生の心を掴みましょう。

4つのコミュニケーションポイント

  • 実際に一緒に仕事をする社員の皆さん、まずは一緒にランチに行きましょう。

学生にとっては、アルバイトとは違う「会社」という環境で、非常に緊張しています。ランチタイムには少し砕けて話をしてみてください。「何でインターンをしようと思ったの?」お互いに聞いてみたいことがあるはずです。

  • 仕事中、インターン生が何をやっているかよく見てあげてください。

うまくできているか、行き詰っているか、こちらから声をかけてあげましょう。指示待ちNGとはいえ、インターン生も緊張しているもの。気にかけてくれる先輩はとてもかっこいいものです。

  • 仕事が終わったら、1日の振り返りをしましょう。

10分で構いません。1対1で、今日できたこと、できなかったこと、感じたこと、次の目標設定を宣言させます。自分で口に出させることで、意識も高ります。一緒に約束したことをまたチェックしてあげてください。

  • 時々は、仕事終わりに食事でも!

ざっくばらんに仕事の話やプライベートの話をしてみましょう。素の自分を出せるようになることで、ぐっと距離感が縮まります。仕事上でもコミュニケーションが取りやすくなり、インターン生も会社への愛着がわいてきます。社風によっては、社員同士での外での関わりが少ない会社もあるかもしれませんが、インターン生は社会人の皆さんの色々な話を聞きたがっています。特に、経営者の方や、学生が慕っている先輩社員からは熱く、会社の展望や個人的な夢・志などを話してみるのがおすすめです

学生も将来に希望をもってインターンに来ているわけですから、そこに共感できることは入社感度が一気に高まります。

3. 成長のステップをみせることでさらなる意欲を引き出す

インターン生が会社や仕事に慣れてきた頃、インターン開始から1か月くらいが社員の腕の見せ所です。初めはすべてが新しく、大変ながらも生き生きと仕事にのめり込みますが、慣れてくるとやはりマンネリ化してきます。これはインターンだけでなく、社員にも対しても同じことですが、常に成長できる環境、新しいことにチャレンジできる環境であることがモチベーションの維持につながってきます。インターン生は初めは簡単な仕事からスタートすると思いますので、次第に単調になってきます。そこで、「初めの仕事ができるようなったら次はこれができる!」という仕事のステップをあらかじめ見せておきます。

例えば、新規営業の場合は、

  • ステップ1:テレアポ→5件アポイント獲得で次のステップ
  • ステップ2:営業同行→自分で取ったアポイントには先輩に同行できる、5件行こう
  • ステップ3:ロープレ→営業の流れを覚えて先輩と練習、テストに合格しよう
  • ステップ4:一人で営業へ!はじめは先輩も一緒にいきます、目標金額も背負って受注を目指す

大体3か月目くらいまでの大まかなステップを伝えます。そうすることで、何をいつまでにやればいいのかも自分でわかりますし、成長できるイメージを持ちながら仕事に望めます。ここで大切なことは、何が出来たら次のステップなのかをしっかり約束することです。

結果を出すという達成感・成長実感が大切ですので、何ができてきたか、何がまだできていないかを振り返り面談でフィードバックしてあげることです。定期的な面談はコミュニケーションの機会だけでなく、成長実感を与えるための機会でもあります。そして常に、次の目標にむけてチャレンジングな姿勢でいることを習慣づけましょう。はじめのステップアップで習慣づけることができれば、そのまま自走できる人材に育つでしょう。

ステップアップを実感しやすくする仕組みづくり

成長のステップを見せていく際に、「できた!」という結果が出た場面が非常に重要になります。例えば、営業であれば、初めてのアポイント獲得、テスト合格、受注などです。その他の職種でも、目標に置いていたことが達成できた時に、きちんと称賛・表彰することが帰属意識を高めます。

【例】ある企業で行っている「褒める文化」づくり

  • 朝礼で前日の実績を上長から発表する
  • 社内情報共有ツールで成果を速報してあげる、もしくはさせる
  • Web上で共有されたとしても必ず直接声をかける
  • 日報メールに「本日のグッジョブ!」を設け、毎日一人以上ピックアップ
  • 月末に表彰式を行なって賞状を授与。新人賞、努力賞、TOP賞など

ここでポイントになってくるのは、これらの取り組みがインターンに限らないという点です。社員の定着やモチベーションアップにも十分当てはまりますので、社員とインターンを分けるのではなく、同じように対象とするのが効果的です。

4. 明確なスキル習得がインターンの価値を高める

コミュニケーションや仕事のステップアップがうまくいって、インターンが定着してくる頃、3か月目くらいになるとかなりスムーズに仕事ができるようになり、手がかからなくなります。

ここで、学生は「このままこのインターンでいいのかな?」と疑問を持ちやすくなります。もちろん、仕事は楽しいしどんどん任せてもらえてやりがいがある、社員の方も魅力的、でもこのままこの仕事でいいの?というような心情です。必ずしもその仕事に就こうと思ってインターンをしているわけではありませんので「このインターンで何ができるようになったか」ということが欲しくなります。仕事のステップアップを、自分自身のスキル習得として見えやすくしてあげることが企業側の役割になります。

特に、技術系の職種(エンジニアやデザイナーなど)はスキル習得が見えやすいので、インターン生にできる単純な仕事からステップアップして「今何を学んでいて、これができると社会ではどのように活躍できるのか」など自分の市場価値やスキルの生かし方などがわかるフィードバックをしてあげるのが良いですね。

営業や企画職などは仕事の実績はわかりやすいものの、日々の仕事に追われがちになりますので、その仕事を通じてどんなスキルが身についたかを言語化できるように適宜面談を入れるのがおすすめです。例えば、電話対応ひとつ取っても、新入社員が4月に一斉に研修を受けることを考えれば、きちんとした電話対応ができることはアドバンテージです。営業でのビジネスマナー、質問の仕方など社内でのマナー、報連相の意義、目標を達成するための計画の立て方、PDCAの回し方、チームのまとめ方など仕事の進め方の基本ひとつひとつを、確実に修得していることを伝えてあげてください。

5. まとめ

インターン生との関わり方を3つのポイントにまとめてみましたがいかがでしょうか?インターンが人気である企業は、共通してインターン生を社員の一員のように接し、期待し、育てています。学生にとって、インターンは決して気軽なものではありません。一歩踏み出して、あなたの会社で学びたいと言ってきた学生を、皆さんで育てませんか?

その想いがあってこそ、インターンからの新卒採用が実現できると思います。

著者プロフィール

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金子 麻里奈
株式会社アイタンクジャパン営業企画マネージャー兼人事。企業向けに長期インターンシップ導入支援を行い、実績は100社以上。自社セミナーの講師も務める。大学生と企業をつなぐ、良質なインターンシップの普及に邁進中!趣味は手料理。

Facebook:http://www.facebook.com/kaneko.marina.21

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